Artist

渡邊 佐和子calligraphy

Profile

■渡邊佐和子

森田子龍に師事 墨人会会員 蒼龍社同人

はじめは、絵描きの父の影響で絵画をやっていました。その頃、ものと向き合う写実の世界を理解することはできませんでした。 そして20代の半ば、書に出会い現在に至っています。
1980年代から墨人会に書の作品を発表するようになりましたが、どこかで絵と結びつけて考えるところもあり、平行して絵画やそのほかの美術に混じっての発表も続けてきました。
また現代美術の心意気に共感するところもあります。書は伝統的なものでありますので、深く入り込めば込むほど難しくなって、私の浅はかな考えはどこかに吹っ飛んでしまいます。
こうして一生書に翻弄されながら書き続けていくのだとおもいますが、何かの折にふと私がたちあがって目の前に立ちふさがる巨大な存在に立ち向かっていることがあります。書における表現はむずかしいですが、今ここにある私の存在と結びついたものを求めて書き続けています。そうでなければ書は私にとってただ古臭いもので終わってしまう。
書くことは考えること。いまはそんな悠長な制作態度でいるところでしょうか。